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Photo by Masato Kato

グループウェア開発・販売大手のサイボウズは、チームワークの価値創造を支援するという事業定義を踏まえ、ビジョナリーカンパニーへの進化に挑んでいる。経営トップとしてどのような背景や意欲を持ちながら挑戦を続けているのか。青野慶久社長に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集長 麻生祐司)

「社長の暴走」はライブドアの
「弥生」買収がきっかけだった

――今の青野さんの思想や発想を知る手がかりとなるのは、やはり社長として事業拡大に挑んだM&Aと、その処理に苦労された時期にあると感じます。自死を意識していたとも吐露してくださいました。

青野 まさに「社長の暴走」でした。M&Aも手当たり次第という感じでしたね。

――事業拡大を考えられたそもそもの動機は何だったのですか。

青野 グループウェアの売上成長率が10%程度に留まるなかで、「私たちはもっとグローバルに活躍する可能性を秘めたITベンチャーだ」という自負がありました。当時、上場したITベンチャーが積極的にM&Aを仕掛けており、ライブドアが「弥生」を買収したことに衝撃を受けました。

 弥生は、ビジネスソフトの業界では老舗でカテゴリーキラーのポジションでしたが、それでも買収された。彼らはビジネスソフトの分野にも買収攻勢をかけてくるのだと恐怖を感じました。それで私自身もM&Aをやらなければならないと考え始めたのです。

――後にM&Aは「3勝6敗」と総括していますが、その理由は何ですか。

青野 今から思うと、3勝しているかどうかも怪しいですね。買収後に予測通りの収益を出せたのが3社という意味で言ったのだと思いますが、実際は9社買収して8社を売却しているから1勝8敗かもしれない。売却益が出た会社もありましたが、完敗と言っていいでしょう。

 そもそも、買収した事業に強く興味を持っていたわけではないのです。「事業の相乗効果を狙う」などと言っていましたが、実際は「買収してみたら何とかなるんじゃないか」くらいの軽い気持ちでした。それだと、シナジーなんて出ないですよね。