ソフトバンクは、18年9月に通信料金と端末代金を分離した新料金体系を導入。この50ギガバイトプランに大容量ユーザーをつなぎ留め、低価格志向の顧客はワイモバイルを受け皿にする。この「マルチブランド戦略」でドコモが大幅値引きに踏み込んだ場合は、まずはワイモバイルの値下げで対抗する方針。10~20代前半向けには、18年4月に子会社化したLINEモバイルを中心に提供する(図4)。

 同社のスマホの累計契約数は18年12月末に2146万件で、ワイモバイルユーザーが約2割に達したが、ワイモバイルの比率が今後も高まれば、それだけ料金収入は引き下がる。

 さらに19年10月には楽天が携帯事業に新規参入し、競争はますます激しくなる。今後も通信料収入の減少は避けられない見通しだ。

 ソフトバンクの株価は公開価格の1500円を割り込んだままで低迷しているが、これは通信事業の成長性に疑問符が付いていることに他ならず、同社としても新たな成長を求めて「非通信事業」の強化に乗り出す。

 SBGの10兆円ファンド、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先との連携を進め、シェアオフィスのウィーワークジャパン(出資比率25%)、タクシー配車のDiDiモビリティジャパン(同50%)、キャッシュレス決済のペイペイ(同50%)など、相次いで合弁会社を設立した。

 こうした合弁事業の多くは持分法出資で、業績が拡大すれば営業外の持分法投資損益を押し上げて、新規上場の可能性も出てくる。

 だが、これら新規事業を含む非通信分野の規模はまだ小さい。当面は、激化する料金競争に耐えながらモバイル通信料収入の減少を最小限に抑え、新規事業への先行投資を続けていくことになる。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 村井令二)