金正恩北朝鮮労働党委員長に対するドナルド・トランプ米大統領のアプローチは、「炎と怒り」による脅しから、親愛の情を示す書簡の交換まで多岐にわたってきた。最も新しい手法は「ビュッフェ外交」。つまり、金氏に友好的な対応のメニューを提示し、好きなものを選ばせるというものだ。しかし今週ベトナムで金氏と会談する際には、トランプ氏はインセンティブとディスインセンティブ(行為を抑制する手段)を実用的に組み合わせた一貫した枠組みを提示すべきである。第1に、朝鮮半島での戦争の危機に対処しなければならない。1953年に休戦協定が結ばれた後、強大な武力を背景にした危険な膠着(こうちゃく)状態は66年目を迎えている。この長期にわたる対立状態を徐々に解消する必要がある。北朝鮮軍は大きすぎる。その規模および奇襲攻撃の能力を交渉によって削減しなければならない。北朝鮮と韓国の軍隊を縮小均衡させることを目標とすべきだ。