厚生労働省の毎月勤労統計に関する不正問題を受け、56の政府の基幹統計について、総務省による点検が行われた。
56の政府の基幹統計について、総務省による点検が行われ,22の基幹統計について何らかの問題が見つかった Photo:PIXTA

官庁の統計データの不正や問題が相次いだことで、信頼が失墜しつつある。その背景にあるものは何か。有効策は何か。かつて総務省で政府の統計制度の所管部局にも在籍していた元官僚の筆者が解説する。(室伏政策研究室代表、政策コンサルタント 室伏謙一)

「お手盛り」と評されても
仕方がない調査結果

 厚生労働省の毎月勤労統計に関する不正問題を受け、56の政府の基幹統計について、総務省による点検が行われた。1月24日には、その結果が公表され、22の基幹統計について何らかの問題が見つかった。

 具体的には、事業者の誤記載により一部誤った結果数値を公表しており訂正が必要なものが1統計、計画上の集計事項の中に集計、公表されていない事項があったものが9統計、都道府県の抽出方法が細部において国が示したものと相違していたものが1統計、調査計画の変更に関わる総務大臣への承認申請が行われていなかった等の手続等に関する問題があったものが16統計であった。

 問題が見つかった統計を所管しているのは、基幹統計を所管している府省のうち、当の総務省も含め、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省および国土交通省であった。

 もっとも「点検」といっても全て総務省が行ったわけではない。昨年の統計法改正により各府省に置かれることとなった統計幹事を中心に行われた“自主点検”を、単に総務省がとりまとめたにすぎない。

 つまり、世間で考えられているような“第三者の立場から行われた点検や検証”とは程遠いものであり、毎月勤労統計に関する特別監察委員会による調査と同様、「お手盛り」と評されても仕方がないものだ。

 こうなると、今回の点検によって把握されたものは“氷山の一角”であって、「基幹統計に関わる不正や不適切な処理が行われた事案はまだまだあるのではないか」という疑念が生まれる。