こうして買値が下がっていき、買い手が少なくなることで不動産相場は下落に転じる。これは「銀行あるある」だが、ある日突然融資姿勢が厳しくなることがある。当初「8割融資する」と言っておきながら、口約束が反故にされて「6割になりました」と切り出されるのはよくあることだ。

 こうした事情により、今回、投資用不動産への融資は急速に縮小を始めている。当面は資産性がないもの、サラリーマン投資家が手を出しやすい新築・中古のワンルーム投資から規制が厳しくなる。2月より3月、3月より4月と厳しくなっていくはずだ。

 そうなると、不動産を保有して売っている事業者はそれらを売れずに価格が下落し、銀行からの返済条件が厳しくなっていき、最終的に倒産に至るケースも出てくるだろう。規模の大きな不動産事業者でも、銀行に貸し剥がしをされたらひとたまりもない。不動産業界では黒字でもキャッシュショートして倒産することが多いし、連鎖的に銀行が再編されることも考えられなくもない。2019年は不動産関連で「受難の大ニュース」が突然飛び込んで来る可能性もあると思っていた方がいい。

過度な不安は必要なし
投資向けと自宅向けは違う

 しかし、不安ばかりを募らせる必要はない。同じ不動産でも、投資向けと自宅向けは違うのだ。住宅ローンは不動産価格を見ているというよりも、購入者の年収から返済可能かどうかを見ている。それだけ安全債権なのであり、住宅ローンを貸し出す銀行の債権は保証会社によって裏で保証されるなど、リスクフリーになっていたりする。

 その点、自宅の住宅ローンは消費者として保護されていると言ってもいい。貸し剥がしにあって自宅を追い出されるようなことはない。自分で売却して住み替えるにしても、住宅ローンの完済が必要なので、頭金以上に値下がりすると売却すらできない。このため、自宅マンションの資産価値は落ちにくい。