辺野古への米軍基地移設の是非をめぐる県民投票では、反対派の圧勝でした。
移設賛成派vs反対派が泥沼のプロパガンダ合戦を続けてきた結果、沖縄には「何も信じられない状態」に陥った県民が増えていると推察される 写真:小早川渉/アフロ

辺野古への米軍基地移設の是非をめぐる県民投票で、「賛成派」がボロ負けした。しかし、投票率52%という“盛り上がらなさ”からは、沖縄県民が明確に「反対」しているというよりは、無関心になっている人が増えているという側面が垣間見える。沖縄県民に何が起きているのか、ドラッカー理論をもとに考えてみよう。(ノンフィクションライター 窪田順生)

辺野古賛成派が
ボロ負けした理由とは?

 先週、沖縄の県民投票で「辺野古賛成派」がボロ負けした。「反対」に投じた人が43万人に対し、「賛成」は11万と圧倒的な差をつけられたのである。

 と言っても、「投票率52%で民意なんて言えるか!」とか、「そもそも国の安全保障政策に自治体に決定権はない!」などと怒り出す人がいるが、そういうクレームが通るのなら、以下のような主張も認めなくてはいけない。

「こんな低い投票率で選ばれた人間を国会議員と呼べるか!」
「選挙では勝ったかもしれないが、あんな首長には行政を束ねる資格がない!」

 こんな言い分を通していたら、「どうせ投票しても意味ないじゃん」という退廃的ムードが蔓延して、行き着く先は「北斗の拳」のように力がモノを言う世界――という感じで、もはや民主主義が成り立たない。

 今回の結果は、政府はもちろん、我々国民全員が重く受け止めて、本当に辺野古しか移設の選択肢がないのか、辺野古しかないというのなら、どうすれば沖縄県民の痛みや怒りを和らげることができるのかを、考えなくてはいけない。

 なんて提言をしたところで、愛国心溢れる方たちは、なかなかこの結果を受け入れられないだろう。「基地移設に反対している地元の人はわずかで、ほとんどは本州から飛んで行った左翼活動家とメディアだけ。大半の沖縄の人は基地と共存し、その経済効果をありがたく思っている」と、固く信じて疑わない人もいまだに多くいるのだ。

 結果うんぬん以前に、「辺野古賛成派」の惨敗に納得いかず、何か特別な裏事情があったはずだと訝しんでいる方も多いのではないか。

 ジャーナリストや専門家によれば、「基地がないと中国が侵略するぞ」とか「反基地運動には中国共産党のスパイが潜り込んでいる」などといった、いわゆる「沖縄デマ」に、自民党支持者も辟易としたことが要因だとか、辺野古の「軟弱地盤」のあまりの深刻ぶりに推進派もドン引きしており、賛成票に結びつかなかったという。

 立派な人たちの分析なので、そういう側面もあるのだろう。ただ、この手の「情報戦」をあまた見てきた経験から言わせていただくと、そこまで小難しい話ではなく、本質的には「ドラッカーが指摘していたことが現実に起きただけ」と思っている。