とはいっても、特定の神社やお寺の弁財天さまを指定するわけではありません。
いつも「あなたには弁財天さまがいいけど、近くにお祀りしているところはありませんか?」と尋ねています。近くのお寺や神社に弁財天さまが祀られていれば、そこでお参りをしてもらっています。
弁財天さまは、今ある縁がよくなければ、その人のために遠慮なく切ります。
ですから、「最近つきあい始めた人と、このまま続けていいかどうか迷ってるんだけど」という人には弁財天さまをおすすめします。
東京にある井の頭公園の池のほとりには弁財天さまが祀られていますが、カップルでこの池のボートに乗ると、この弁財天さまがヤキモチを焼いて、別れさせるという都市伝説があります。
しかし、これは大きな誤解です。
弁財天さまが嫉妬したり、ヤキモチを焼いたりすることはありません。
弁財天さまが割かれる縁は、一緒にいると、かえってよくない縁だけ。
つまり、お互いの学びにもならないどころか、憎み合ったり、相手をおとしめたりしてしまう可能性がある縁だけです。
ご神仏は将来をお見通しですから、即座に良い縁と悪い縁を見極められます。
今はどんなに気持ちが盛り上がっていても、いつかは別れてしまう間柄や、お互いのためにならない悪縁をサッと判断して、早めに切ってくださるのです。
たとえば、良い縁ではなかったカップルが別れるのに、5年かかるとします。
そういう場合、楽しいのは1年だけで、あとの4年は苦労の連続になるかもしれません。弁財天さまはそんな二人の縁をスパッと切り、「この人でいいのだろうか」と悩みながら過ごす4年間を短くしてくださいます。
でも、それが良縁であれば、必ず守ってくださるので安心してください。
一方、多少の失礼があったとしても、「お礼参りには来ないけど、幸せで何よりだ」というのが仏さまの立場です。
ですから、失礼をする恐れがある人には、縁結びが得意で懐の深い仏さまである愛染明王さまに参ってお祈りしていただけたらと思います。
お稲荷さまをおすすめしたいのは、
「本当にまったくご縁がなくて、どこに行ったらいいのでしょうか?」
と悩む人です。
たとえば、異性のまったくいない職場や、家族以外の他人とはあまり接点のない環境に置かれている人などがこれに当たります。
お稲荷さまは日本全国にお祀りされていますから、お稲荷さまのネットワークは日本全国にくまなく張られています。ですからお稲荷さまは、非常にいろいろな思いもかけないご縁を結ぶことのできる神さまなのです。ただ、お礼参りは忘れないでください。
以前、人の縁の奥深さについて考えさせられた出来事がありました。