ママより先に恋愛相談
戸惑い固まるパパ

 仕事で忙しく不在がちなBさん(43歳男性)だが、7歳の1人娘との親子関係は良好だった。おおむねママと仲がよい娘だが、パパはパパでちゃんと好きらしかった。

「娘と顔を合わせる機会が少ないからか、一緒に過ごせるときはかなりべったりしてくる。自分はレア度が高いから、娘はその機会を逃さないようにしているのだと思う」(Bさん)

 普段の娘の様子は主に妻から聞いて知ることになる。

「自分では帰宅して娘の寝顔を見るくらいしか成長を実感できる機会がないので、妻から話を聞けるのは本当に楽しみ。娘は妻になんでも相談するくらいの仲で、見ていてそこも安心できるし、ほほえましい」

 これがBさんの日常だったので、親子関係においてまさか自分が妻より先んじる場面が出来しようとは夢にも思っていなかった。

 ある日曜日の朝、Aさんは午後から仕事に行くつもりで遅めに起きた。リビングに行くと娘がいて、妻はまだ寝ているらしかった。

 娘となんとなく会話しながら朝食を取っていると、なんと唐突に「好きな人ができた」と打ち明けられたのだ。

 もちろん驚きはしたが、Bさんも野暮ではないので、娘を授かった時から「いつかこんな日が来るだろう」と覚悟はしていた。空想の中で予行練習した通り、娘の初恋らしき恋を喜び、理解し、応援するパパをうまく演じるよう努めた。

「娘は秘密を告白したことでかなり興奮しているようだった。こちらもドキドキしたが、それを悟られるわけにはいかない。『なんていう子なの?』『どんなところが好きなの?』といった質問をして、注意がこちらに向かないよう画策した(笑)」

 娘に初恋を打ち明けられる父の心情は複雑そうだが、Bさんは別の部分で複雑な思いをする羽目になった。

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