不安定な時期に前進するには、別々の道を行くことが最も良い場合もある。それが米カジュアル衣料小売り大手ギャップの結論だったようだ。同社は2月28日、2つの上場企業に分割する計画を明らかにした。1社は「オールドネイビー」。もう1社はそれ以外の「ギャップ」「バナナ・リパブリック」「アスレタ」「インターミックス」「ヒルシティー」ブランドで構成するが、社名は未定だ。看板のギャップ・ブランドが販売てこ入れに苦戦している点を踏まえると、賢明な判断のようだ。昨年は賃金上昇や減税で個人消費が押し上げられる中でも、ギャップ・ブランドの売上高は減少の一途をたどった。8月にはアート・ペック最高経営責任者(CEO)から、同ブランドの業績は「受け入れられない」との発言が飛び出した。同社は11月、多数の店舗の閉鎖を検討していることを明らかにした。ギャップの既存店売上高は11-1月期(第4四半期)、2019年1月期通期とも前年同期から5%減と、落ち込みが目立った。