長く楽しく頑張れる「ワクワクできる組織」には、いくつか条件がある。そして、「ワクワクしつづけられる組織」では、「アンラーン」がキーワードになる。グーグルや博報堂、freeeでの体験を踏まえて「ワクワクできる組織づくり」について考えたい。(freee株式会社CEO 佐々木大輔)
ワクワクできる組織が
持っている3つの条件
「この組織に入ってワクワクできるか」
就職活動や転職活動をするとき、僕はこの点を意識して組織を見てきた。昔から「組織にワクワクできるか」ということにかなり敏感だった。
それは僕が昔から、組織や集団行動が得意ではないからだ。たとえば学校でのクラス替えのとき、友達がすぐにできて率先して群をつくる人と、しばらく1人で行動する人がいると思う。僕の場合は、間違いなく後者のタイプ。新しい組織にすぐ馴染んだり、溶け込んだりすることは、僕にとって心地いいものではなく、はっきり言って不快とさえ思っていた。
こんな調子だったから、たとえばクラス替えは自分に選ぶ権利はないのだけれど、選べる組織は自分で選びたいという思いが人一倍強くなったのだろう。
この組織のカルチャーの中で自分がやっていけるかどうかを意識的に注意深く見据えないと、「あー、みんなやっているなぁ」とすぐに一歩引いた醒めた感覚になってしまう。すぐに集団から外れたくなってしまう。それがわかっていたから、「この組織はワクワクできるか」ということは相当考えて選ぶ必要があったのだ。
連載第1回では、それまで自分自身の成長と周りとの信頼関係を基準に、「今、この組織は自分にとって良いのか悪いのか」を判断してきたと述べた。そういう意味では、新卒で入った大手広告代理店の博報堂もいい会社だった。自分自身がワクワクしながら仕事をしている人たちの集団だったし、みんな色々なノウハウを惜しみなく教えてくれた。良くないと思ったことに対しては真剣に叱ってくれて、そういうことも厭わなかった。