「論理に裏打ちされた戦略があってこそ、成功にたどりつける」――これがかつてのビジネスの常識だった。しかし「他者モードの戦略」は、いたるところで機能不全を起こしつつある。その背後で、いま、マーケットに強烈なインパクトを与えているのは、「根拠のない妄想・直感」を見事に手なずけた人たちだ。
そんななか、発売直後から大増刷が決定した最新刊『直感と論理をつなぐ思考法――VISION DRIVEN』を著した佐宗邦威氏は、いま何を考えているのか? P&G、ソニーで活躍し、米国デザインスクールで学んだ最注目の「戦略デザイナー」が語る「感性ベースの思考法」の決定版!!

「有用性」から解放された「人生芸術の山脈」

ただPDCAを回すだけの「カイゼン」の世界には飽き足らず、かといって、データやロジックを駆使して戦い続ける「戦略」にも疲れてしまった人たちにとって、「デザイン思考」というのはある種の救いだった。

参考:仕事は「計画」からやってはいけない!「手」がとまってしまう人が見直すべきポイント――3分でわかる「デザイン思考」のいちばんシンプルな解説
https://diamond.jp/articles/-/195871

ここ数年、ここに活路を見出した多くの人たちが、「デザインの平原」に移住するという現象が起きたわけである。

直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN左:戦略の荒野/中央:カイゼンの農地/デザインの平原

他方で、果たしてこの「平原」が永住するに値する楽園なのかということになると、必ずしもそうは言えない。

それはなぜだろうか?