ミュージシャンの夫の
社会保険料を払った会社員の妻は?

「家族の社会保険料を払ったのに控除忘れ」というケースもあった。

 仕事で出版社勤務の編集者と雑談をしているとき、彼女の夫がスタジオミュージシャンだという話題になった。彼女いわく、「売れないミュージシャン」ではなく、「そこそこ売れているミュージシャン」とのこと。

 ただし、家族の生活費や夫の国民健康保険料、国民年金保険料は彼女持ち。大手出版社勤務なので収入面では心配はない。

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 と、ここまで聞いたとき、ふと疑問がわいた。「夫の社会保険料を払ってあげて、その分はあなたの社会保険料控除として控除を受けているのよね?」と尋ねてみると、「いえ、納付書に夫の名前が書いてあるから、私は受けられないと思っていました」と言う。

 念のため、夫がその社会保険料控除を受けているのか確認すると「妻が払ってくれたから、自分は控除を受けていない」とのこと。納付書の名前が誰であれ、実際に支払った家族が控除を受けることができるとアドバイスしたところ「知りませんでした!」と驚き顔。

 ラッキーなことに領収印のある納付書をすべてファイルしてあったので、彼女に「5年分さかのぼって、申告するように」とミッションを与えた。編集の仕事は忙しいが「お金が戻ってくるから、必ずやり遂げるように!」とたびたびリマインドしたところ、5年分、合計70万円ほど還付を受けることができたようだ。

 年収は妻のほうが(圧倒的に)高いため、結果として彼女が社会保険料を負担したことは吉となった。

 このように思い込みで、うっかり「控除漏れ」のケースは少なくない。夫婦で「漏れ」がないかどうか、確認してみよう。

(株式会社生活設計塾クルー ファイナンシャルプランナー 深田晶恵)