すると、ATMは、順番待ちを嫌がる顧客に大歓迎されました。逆に、今度はATMにどんどん客が流れ込んでいきました。

 そこに便乗して、同行同支店でも振込手数料を発生させたのが、先の広島銀行です。それまで、同行同支店の振込手数料はありませんでした

 となると、銀行は横並び主義です。全国の銀行が一斉に同行同支店でも手数料を取る方向に舵を切りました。

 つまり、同行同支店の振込手数料は、便乗商法の賜物なのです。それがいまだに残っているだけです。その歴史を知る銀行員さえ、今は少なくなっています。

 銀行員も利用者も、単に手数料はいるものだと思い込んでいるわけです。

「同行同支店の手数料をゼロにしてください。どうして同行同支店で手数料がいるのですか。その背景をご存じですか? なんなら教えましょうか? 言ってみれば、ATM導入時の便乗商法の名残ですよ」

 銀行の担当者にこれくらいのことは言ってやりましょう。