多くの場合、支店長と交渉をして、ほどなくこうした結果を得ています。振込手数料の減額は、ある範囲までは支店長決済なのです。
この振込手数料の減額を「減免措置」といいます。「振込手数料を減免措置していただけませんか」と声をかければ、相手は驚くはずです。
なぜ振込手数料が生まれたのか?
そもそも、振込手数料そのものに、もっと疑問を感じなければいけません。
まず、振込先が同行と他行で値段が違います。さらに同行は、同支店と他支店に分かれます。ITシステムの時代に、同行内でもおかしいのに、同行同支店で手数料がいるなんて、なんとも不可解な話です。支店内でデータ処理をするだけで手数料を取るようなことは、他業種では考えられません。
同行同支店で手数料をとるようになったのは、1991年頃からといわれています。発端は、広島銀行のATMです。
その頃、ATMが各銀行にどんどん導入されました。ATMがない時代、銀行窓口は大混雑でした。何をするにも窓口対応ですから、少し現金を引き出すだけでも、かなりの順番待ちを強いられていました。
当時、窓口対応の女性には、職人芸の持ち主がいました。記載伝票のチェックが早くて正確、札を数えるのが早くて正確、振り込みや納税の知識を幅広く持っている、などなど。その様子を変えたのが、ATMでした。
しかし、最初は、客もATMの操作が不安です。なかなか利用が進みませんでした。そこで、他行への振り込みや、同行他支店への振り込みについては、窓口より若干安くするなど、インセンティブをつけました。銀行も、ATMを利用してもらったほうが助かるのです。