聞いたこともない「瓢箪山稲荷神社の辻占い」も、そそられすぎるので、近いうちに行かねばなるまい。そして、最後は「日本でもっとも訪れるべき素晴らしい博物館」として「国立民族学博物館」が絶賛されている。わたしのオフィスからすぐそこに見下ろす場所にある博物館だ。ここは確かに素晴らしい。何度行っても、間違いなく新たな発見がある。最後に、去年から内部が公開されている「太陽の塔」を見学したら完璧と締めくくられている。

 かくして、キダ・タロー先生から有名観光地、古墳群、石切神社、瓢箪山を経て国立民族学博物館、そして太陽の塔で爆発、というゴールデンルートとなる。これ以上の大阪観光ルートは想像することすら不可能だ。そのうえ、なんと素晴らしいことでしょう、その行程地図が示されている。残念ながら、キダ・タロー先生は観光地ではないから載ってない。それ以前に、不親切すぎる地図でまったく意味をなしていないのがすごすぎる。

これだけ主観的かつ正直すぎる
観光案内がこれまでにあったか

「スペクタクル富山県」、「大分県は大魔境」、「茨城県が日本一?」、「愛知県の可能性は無限大」、「一番ダサい東京都」、とか書かれると、そうだそうだという人から、そんなことあるかと怒る人まで出てくるだろう。しかし、それぞれの内容を読むと、一応納得させられる。ような気がしないでもない。

“*すべて個人の感想です”

 これだけ主観的かつ正直すぎる観光案内がこれまでにあったろうか。もちろん、すべては宮田さん個人の感想である。だから、この本を参考にするかどうかは、旅人・宮田珠己を信頼するかどうか、ということにつきる。

 無理にでも信頼して、あまり下調べせず、この本を片手にして旅に出ることをオススメする。きっと、そこには新しい旅がある。

(HONZ 仲野 徹)