現役脳神経外科医としてクリニックを経営し、週6日の診療をしながら、『成功の食事法――脳神経外科医の自分を劇的に変える食欲マネジメント』(ポプラ社)など多くの本を上梓している医師・菅原道仁(48歳)さん。メディア出演も多く、モテ、成功法、子育てなどそのテーマも多岐にわたりますが、医師という立場で専門的にお話ししつつも、実用的なことをおっしゃるところに菅原さんらしさを感じます。
今回のインタビューでも、多忙な医師が健康でいられるための食事など、使える知識をたくさん伝授していただきました。
くも膜下出血や脳梗塞の患者は、
肥満で高血圧や高血糖な人ばかり
脳神経外科医。菅原脳神経外科クリニック院長。
1970年生まれ。杏林大学医学部卒業後、クモ膜下出血や脳梗塞といった緊急の脳疾患を専門として、国立国際医療研究センターに勤務。 2000年、救急から在宅まで一貫した医療を提供できる医療システムの構築を目指し、脳神経外科専門の北原国際病院(東京・八王子市)に15年間勤務。2015年に菅原脳神経外科クリニックを開院し、現在は、頭痛、めまい、物忘れ、脳の病気の予防の診療を中心に医療を行う。
「患者さんに伝えるときに必要な知識を得たいし、そのために必要なことを学びたいのです」
いろんなバックグラウンドを持つ患者さんと話をするために、医学に偏らず幅広いジャンルの勉強をし、知識のアップデートも欠かさないという菅原さんですが、特に「食」に関する知識を重要視しています。
もともと、高校では空手部、大学ではラグビー部に所属していたからこそ、食事の重要性を体で感じていたといいます。でも、医学部で食について学ぶ時間はほんのわずか。大学の試験で間違いなく答えられる程度の知識でいいという意識は、医師として働くようになってから180度変わりました。
くも膜下出血や脳梗塞といった緊急の脳疾患を専門とし、数多くの救急医療現場を経験していたからこそ、救急で運ばれてくる人の多くは肥満で、高血圧や高血糖を放置している人ばかりだということを目の当たりにしたのです。
「病気をして、入院をするくらいの事態になってようやく人は変わろうとします。でも、それからでは遅いことだってある。脳卒中になると後遺症で車椅子になる。動脈硬化を予防しないといけない。そうなると最も重要なのは食事ですよね。病気によって飛躍する人もいるけれど、一度きりの人生において重い荷を背負うことになる方が多い。大変な努力をする未来像が見える分、健康的な食事の必要性を感じています」