ささいなことで、すぐに傷ついたり、キレたり、敵意を見せたりするなど、コミュニケーションが困難な人はどんな職場や組織にもいるものである。そんな面倒な、取扱注意な人たちとはどのように接したらいいのだろうか。(ストレス・マネジメント研究者 舟木彩乃)
“取扱注意”な人々が
増えてきた?
私はこれまで8000人以上の方にカウンセリングをしてきましたが、最近、必要以上に気を使わなければいけない“取扱注意”人物が増えてきたように思います。また、そういった人物とのコミュニケーションに困っているという相談を受ける機会も多くなってきました。
例えば、次のような相談が寄せられています。皆さんの周りにはいませんか?
・仕事上必要なアドバイスをしただけなのに、やたら傷ついたような反応をされた。
・純粋な親切心から伝えた言葉が敵意を持った言葉と受け取られ、競争意識をむき出しにされた。
・ふつうに会話をしていたはずが、急にキレられた。
・ちょっとしたことで腹を立てて、あからさまに機嫌悪くされた。
実際にあったケースをいくつかご紹介したいと思います。
上司から
嫌われているのではないか
◎ケース1:吉野さん(仮名)20代後半女性で営業職
吉野さんが自分の力をもっと試せるような仕事に就きたいと思い、前の会社の事務職から今の会社の営業職へと転職して、半年が経とうとしていました。新たなスタートを切った吉野さんは、早く一人前になれるよう努力を重ねていましたが、半年の間にいくつかの顧問先の担当から外されてしまいました。納得のいかない吉野さんは上司である課長に理由を聞きましたが、「いろいろなお客様がいるから」と曖昧な回答しか返ってこないということでした。