2015年のディーゼル車排ガス不正問題の後、独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は世界制覇にまい進する姿勢から一転、環境に配慮した電気自動車(EV)に活路を見いだそうとしてきた。だが変わっていないこともある。同社のビジョンにおいて投資家の利益が二の次になっていることだ。12日に2018年通期決算を発表した同社は、一段と幅広くEVを推進する考えを鮮明にした。VWおよび傘下ブランドの新車販売台数は2016年からトヨタ自動車を上回り、3年連続で世界首位に立つ。これはディーゼル不正発覚まで同社を率いていたマルティン・ウィンターコルン氏の悲願だった。だが今や同社は2030年までに販売する自動車の少なくとも5台に2台を100%EV車にする計画で、2050年までの「カーボンニュートラル(炭素中立)」を目指している。
独VWが積極投資するEV、コストも増大
2050年までにカーボンニュートラルを目指す
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