――筆者のスコット・D・セーガン博士はスタンフォード大学教授で同大国際安全保障協力センター(CISAC)のシニアフェロー。ベンジャミン・A・バレンティノ博士はダートマス大学准教授 ***  ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による2月末の首脳会談は、核軍縮に向けて小さな一歩ですら合意できなかった。このことは、われわれが近い将来、核保有国としての北朝鮮と向き合うであろうことを意味する。  北朝鮮が最初に核兵器の実験を行った2006年以降、歴代の米大統領は北朝鮮に完全な非核化を要求してきた。トランプ政権内では、その可能性について見解の相違が生じている。