北朝鮮の金正恩氏Photo:Reuters

――筆者のスコット・D・セーガン博士はスタンフォード大学教授で同大国際安全保障協力センター(CISAC)のシニアフェロー。ベンジャミン・A・バレンティノ博士はダートマス大学准教授

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 ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による2月末の首脳会談は、核軍縮に向けて小さな一歩ですら合意できなかった。このことは、われわれが近い将来、核保有国としての北朝鮮と向き合うであろうことを意味する。

 北朝鮮が最初に核兵器の実験を行った2006年以降、歴代の米大統領は北朝鮮に完全な非核化を要求してきた。トランプ政権内では、その可能性について見解の相違が生じている。ダン・コーツ国家情報長官は1月、北朝鮮が「核兵器や生産能力を完全に放棄する可能性は低い」と議会で証言した。これに対し、トランプ氏は「非核化のチャンスはかなりある」とツイッターで反論した。正恩氏は2018年を通じて核実験とミサイル発射実験を控えていたが、いつ方針転換してもおかしくない。北朝鮮は依然としてミサイル生産とウラン濃縮を続けており、昨年6月の1回目の米朝首脳会談後に一部廃棄された主要ミサイル実験施設には復旧の兆候が見られるようになった。

 米国民は北朝鮮の核の脅威とともに生きていくことを選ぶのか? 国民はいかなる条件であれば、経済制裁や外交協議で果たせなかったことを軍事力で解決するやり方を支持するのだろうか?