無投票当選者は行政の長では34%にも上ります。
企業の意思決定においても、暗黙の合意を得ているから明確な意思決定は必要ない、と思い込み、フタを開けてみたら誰もついてこな買ったという失敗事例が後を絶たない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

統一地方選挙が始まる。4年前の前回は、行政の長の3人に1人が無投票当選していた。無投票当選は、民主主義を実現する目的とは逆行する問題規定だ。実は同様の問題がビジネスシーンのあちこちにあるのだ。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

行政の長の3人に1人が
無投票当選するという現実

 4月7日、21日投票の統一地方選挙は、3月21日から順次告示され、立候補者が判明する。2015年の前回選挙では、実は全国で、都道府県議会議員の22%、市長の30%、町村長の43%が無投票当選していたことをご存じだろうか(総務省「地方選挙結果調」)。

 無投票当選とは、立候補者が定数を超えない場合には投票を行わず、立候補者をそのまま当選人にするという、公職選挙法の規定だ。これにより、行政の長の選挙では34%、議会の議員の選挙では11%が無投票で当選しているのだ。

 そもそも立候補者数が定数を超えなかったのだから、投票を行わないのは当たり前ではないかと思う人もいるかもしれない。しかし私には、無投票で当選人を決めてしまうことが、とても深刻な問題を含んでいると思えてならないのだ。

 周知の通り選挙は、行政や立法の担い手を有権者が選ぶという、民主主義の根幹をなす仕組みだ。言い換えれば、民主主義を実現するという目的を果たすために、欠かせない要素だ。

 有権者によって選ばれることなく、立候補者の意思だけで決まってしまったということであれば、民主主義の目的は果たされなかったことになる。民主主義を実現するための仕組みの中に、民主主義を無視してしまう措置が内在してしまっているので、真逆の状況に有権者を陥れてしまう。決して軽視してはならない問題だ。

 立候補者数が定数を超えなかったということは、他の候補者がいなかったのだから、暗黙のうちにその候補者が信任されたのだという考え方があるが、そうとみなすには無理がある。告示までの間、さまざまな情報が流布する今日においても、信任・非信任が明示されることは不可欠ではないだろうか。