『仮面ライダードライブ』が放送されていた1年間、Bさんは恋を続けていたが、放送終了後、徐々に熱が冷めていった。竹内涼真を別番組やCMで見かけることがあったが、円満な別れを経た昔の彼氏を応援するような穏やかな気持ちでいることができた。

「やはり定期的に会う(※筆者注:この『会う』は『テレビで見かける』の意)のは恋にとって非常に重要なのだなと。『必ず週に1回』がなくなったことで気持ちが落ち着いたので」(Bさん)

『おかあさんといっしょ』で「うたのおにいさん」を務めた横山だいすけお兄さんは、在任期間中の5年にわたって全国のママを虜にし続けた。だいすけお兄さんの甘く爽やかなマスクが人気の最も大きな要因の1つであったのは間違いないが、「定期的に見る」というファクターも無視できない。

 筆者も子どもを喜ばせるために同番組を見せては『ブンバ・ボーン!』を一緒に踊ったりするのだが、当初はとりわけ意識することのなかった「うたのおねえさん」と「たいそうのおねえさん」が徐々にものすごく魅力的に思えてきたのである(これは道徳的に危険な兆候であると自覚し、現在はなるべく彼女たちを視界の中心に捉えないでブンバボンするように努めている)。これも、彼や彼女たちが備えている魅力を倍加させる“定期性”の力ではあるまいか。

 子育てがなければ金輪際観ることはなかったであろう子ども向け番組を、決して侮ってはならない。当たり前だが、あれらは大人が寄り集まって一生懸命作り上げた制作物であり、そこには子どものみならず大人の胸をも打つ熱意が込められているものである。

 Bさん(や筆者)のように“心の不貞”に及ぶのはやや問題かもしれないが、子どもは親が自分と同じ番組を一緒に楽しんで見てくれるのが何よりうれしいはずである。親が子ども向け番組にハマれるのは幸いなことであるかもしれない。