たとえば中学受験では第一志望に入れる割合は全体の一割程度です。

 開成でも、毎年3倍4倍という倍率があり、合格できなかった子どもは、第二志望、第三志望の学校へ入学しています。

「中学受験というのはそういうものなのだ」とわきまえ、志望校に落ちても、これで終わりだという感覚ではなく、「目標に一歩近づいた。上を目指してよく頑張った」と、子どもが自己肯定感を持てるように、親はフォローしなくてはなりません。

 また、中学受験では、「レベルの高い学校にぎりぎりで入るより、ランクを落としてでもトップを目指してほしい」という考えで志望校を決める人がいます。しかし、入学試験の順位と卒業する際の順位には相関性がありません。むしろ、一年生の学期末の成績が出口(卒業時)を予想するのに非常に重要な情報だと、いろんな先生が言っています。

 要するに、入学した学校でその環境にいち早くなじみ、そこで生きながらえるための身のこなしや身の処し方、そういう生活力が肝心なのです。

 たとえ、第一志望に補欠で入ったとしても、志望校に入れず別の学校に行ったとしても、そこで伸びるか埋もれてしまうかは本人次第。そして、その人間力を養うのが家庭なのです。

 中学受験でも大学受験でも、それは子どもの人生の通過点にすぎず、入ってからが大事。そういう意識を持った親の子どもが伸びやすいということは言えると思います。

(取材・構成/松島恵利子)

AERA dot.より転載