その提言の骨子として、取締役会議長を会長の兼務ではなく社外取締役に担わせること、会長職を空席とすること、現在の監査役会設置会社から「指名委員会等設置会社」へ移行することなどが盛り込まれる予定だ。

 榊原氏の取締役議長就任は、これらの特別委の提言を踏まえて検討されるということになっている。

 だが、榊原氏の就任プロセスには、独立性や客観性が完全に確保されているとは言えず、疑義を挟む余地がありそうだ。

疑義のある2つのポイント

 というのも、榊原氏は特別委の共同委員長を務めており、このまま取締役会議長ポストへ「横滑り」する人事が適切とはいえないという見方があるからだ。

 実際に、ある日産幹部も「自分(榊原氏)が自分を選んだようなものといわれても仕方ない」と懸念をあらわにする。

 就任プロセスが問われるポイントは以下の2つである。

(1)特別委の選任は誰が行うのか。
(2)新しい社内外の取締役の選任は誰が行うのか。

 まず、(1)特別委の選任についてみていこう。

 日産資料によれば、特別委の人選については、「独立社外取締役3名の総意により、特別委の委員4名を決定した」とされている。

 独立社外取締役とは、豊田正和(経済産業省OB)氏、井原慶子氏(レーシングドライバー)、ジャンバプティステ・ドゥザン氏(ルノー出身)の3名である。この独立社外取締役3名が、榊原氏や西岡清一郎(元裁判官の弁護士)ら外部の専門家4名を選定したとされており、資料上では、日産経営陣が特別委委員を選んだことにはなっていない。

 また、日産は、特別委の構成メンバーとして独立社外取締役3名より多い4名の外部専門家を入れたことを念頭に、独立性を主張している。