米国の労働参加率は、人口構成を背景に低下するとの予想に反する動きを見せている。その背景には、好調な経済が、より多くの労働者の維持、参入を促していることがある。  ここから先の労働参加率の軌跡は、広範な問題に大きく影響することになるだろう。その中には、経済がどれほどのスピードで成長できるのか、その過程でどの程度のインフレを引き起こすのか、米連邦準備制度理事会(FRB)は今後も低金利を維持できるのかといった事柄が含まれる。  16歳以上の人口のうち、職を持っているか求職中の人口の比率は、2015年9月に底を打ってから63%前後で安定している。