過激派組織「イスラム国(IS)」がカリフ制国家と称していたものが一掃されたことは、テロとの戦いでの重要な勝利となった。しかし、米軍当局者や専門家からは、より困難な戦いへと局面が変わったことを意味するとの声も聞かれる。当局者やアナリストらによれば、米国の対テロ戦略の焦点は今後、ISが支配していたイラクとシリアの一部での長年の武力紛争から、より分散化された姿の見えにくい反政府活動への対処に移行していくとみられる。それは、ISによる戦闘員勧誘を阻み、ISの求心力を低く抑えておく方法を探し出すことも意味する。ある米軍当局者は「この地域には依然として反抗勢力が存在しており、現在は意図的に姿を隠しているが、いずれ活動を再開するだろう」と分析。「彼らを見つけ出し、活動再開を防ぐことは難しい。ある意味、実態のあるカリフ制国家を一掃するのと同じくらい困難だ」と語った。
IS「国家」壊滅、米国を待つ新たな長期戦
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