デキる上司のズルい一言写真はイメージです Photo:PIXTA

業界や企業規模にかかわらず、仕事でチャットツールやウェブ会議ツールを使うことが一般的になってきた。若手社員の中には、そうした新しいツールを使ったコミュニケーションに慣れていて、むしろ対面やメールでのコミュニケーションに抵抗感がある人も少なくないようだ。

しかし、仕事では「対面やメールが良い」場面もある。そのメリットについて、デキる上司はどう伝えるのだろうか?(ギックス共同創業者 田中耕比古)

「チャットで良くないッスか?」
デキる上司はどう答える?

 コロナ禍を経てリモートワークが浸透し、コミュニケーション手段が多様化してきました。

 スタートアップ企業やベンチャー企業に限らず、JTC(ジャパニーズトラディショナルカンパニー)と呼ばれる日本の超大企業でも、teamsやzoom、slackなどのツールを導入し、さまざまなやり方で情報共有が可能になってきています。

 若手社員の中には、リモートワークが「あたりまえ」になっている人も多くいます。

 非対面コミュニケーションが主体な状況に慣れており、zoomなどのウェブ会議ツールで(自宅の通信環境の問題などもあり)カメラをオフの状態でログインしていても、正直言って「普段通りの仕事」を行うためには大して困りません。

 また、チャットで対話するのも、迅速で円滑なコミュニケーション文化の醸成に役立っており、風通しの良い職場環境を作ることに一役買っています。

 一方で、対面ミーティングの重要性も、再度、注目されています。仕事における雑談の大切さは、多くのビジネスパーソンが身にしみて感じていることでしょう。

 また、slackのようなチャットツールに慣れすぎていると、電子メールで長文を書くということの心理的ハードルが高くなっている人もいます。

 そうした感覚の強い若手社員からすると、「対面・口頭で伝えるのは苦手」「メールで長文を書くのは面倒くさい」というふうに思ったり、それらの手段を敬遠したりするかもしれません。

 とはいえ、彼ら・彼女らがキャリアを積み、責任ある仕事をこなすようになっていく中で、対面コミュニケーションやメールコミュニケーションをいつまでも避けて通ることはできません。

 本日は、そういう「やや気が重い」コミュニケーション手段をどういう場合に選択すべきかを明らかにするとともに、若手社員に向けた指導・助言のポイントを解説します。