3月3日、新刊『猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言完全版』(扶桑社刊)を漫画家の西原理恵子氏との共著で上梓した菅原潮氏。本書では経済ヤクザ時代の経験をもとに国際金融の闇と詐欺業界の実態が活写されているが、そんな菅原氏に「日本人はなぜこんなに騙されるのか」を聞いた。(ライター 根本直樹)
振り込め詐欺は
ヤクザの利権である
──3月13日、東京都江東区のマンションで80歳の女性が殺害された事件の容疑者3人が逮捕されました。事件の直前、被害女性に資産の有無を確認する電話、いわゆる“アポ電”があったことが判明しており、その手口から実行犯の背後に振り込め詐欺グループがいるともいわれていますが、どう思われますか。
実際そうでしょう。もっといえば、事件の絵を描いたのは暴力団関係者ではないか。今、振り込め詐欺グループはどんどん暴力団に取り込まれており、シノギに詰まった末端組員が配下の詐欺グループに電話役をやらせ、肉体派の不良をそそのかして実行役に仕立て上げ、今回のような事件を起こしても不思議ではありません。うまくいったら儲けの大半を持って行き、今回のように実行役が下手を打ったら、知らんぷりしていればいい。ヤクザの常とう手段ですよ。