悪役 世界でいちばん貧しい大統領の本音
『悪役 世界でいちばん貧しい大統領の本音』
アンドレス・ダンサ、エルネスト・トゥルボヴィッツ 著
(汐文社/2015年)(版元を変えた文庫版は16年に出版)

 南米の南東部にあるウルグアイは、1人当たりのGDPが1万5000ドル程度の小国だ。かつて同国の大統領を務めたムヒカ氏は、地位に似合わず、極端に質素な生活を送ることから「世界でいちばん貧しい大統領」と呼ばれた。極左ゲリラ出身で13年間服役した彼は、75歳で大統領になる。その後、国際連合で行ったスピーチでも有名になった。曰く「私たちは発展するためにこの世にやってきたわけではありません。この惑星に、幸せになろうとやってきたのです。今の地球の危機の原因は環境の危機ではなく政治の危機なのです」。

 理想主義者ではない。現実をよく見て、人々の生活の向上に集中し、自らは清貧に徹した。本書は、彼がノーベル平和賞候補になった理由を明らかにする。

(元アラビア石油取締役、オイル・アナリスト 庄司太郎)