FRBの利上げ停止で弱まる資金流出圧力

 一方、昨年末にかけての原油安の進展に伴い、足下のインフレ率は準備銀行が定めるインフレ目標の下限近傍で推移しており、国際金融市場が落ち着きを取り戻していることも追い風に、同行は今年2月に利下げを実施するなど、金融政策面でも景気下支えに前のめりの姿勢が強まっている。

 年明け以降は米FRB(連邦準備制度理事会)が利上げ停止を示唆し、「ハト派」に転じたことで、結果的に新興国からの資金流出圧力が弱まった。これは昨年は慢性的な経常赤字などを理由に資金流出に悩まされた同国にはプラスの効果をもたらすことが期待される。

 ただし、家計部門などにとっては景気回復の実感に乏しい状況が続いている上、高額紙幣廃止やGST導入に伴うドタバタ劇の余波を受けた小規模店主はモディ政権への反発を強めているとされ、選挙戦の行方は予断を許さない。仮に与党連合が過半数を確保してモディ政権が維持できた場合でも、「モディノミクス」による構造改革のスピードは大幅減速が避けられないとみられ、インド経済をみる目に少なからず影響を与えそうだ。

(第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト 西濵 徹)