その後いくつかの会社を経て、今はフリーランスとして働いているのだから、筆者が会社員に向かなかったと言ってしまえば、それだけのことだったのかもしれない。しかし、今に至る過程で「理不尽なものを受け入れる」ことも、「根性」が必要なことも、「他の人との協調性」の大切さも、ある程度は理解できるようになった。

 果たして、あの時の出来事を受け入れることができず、苦労して入社した会社を1年で辞めてしまったことは、正解だったのだろうか。そう思い悩む時もある。

「令和」の時代に残された宿題

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 そう悩む時点で、筆者は体育会系の幻想から、まだ抜け切れていないのかもしれない。筆者が新卒で勤めた会社はそうではなかったが、体育会系、というよりも軍隊的な組織運営をして、ただ単にスタッフを使い捨てるような会社は実際に存在して、そこから抜け出せずに苦しんでいる人たちもたくさんいる。

 法令に違反する組織はもってのほかだが、組織における生産性の考え方や、人々の働き方、生き方も多様化している。会社やスポーツ界に限らず、日本社会の至るところにはびこっている体育会系的な発想とどう折り合いをつけて、改善していくか。「令和」の時代に残された宿題のように思える。

 当連載についてご意見がある方は、筆者のTwitterアカウントにご連絡いただきたい。すべてには返信できないが、必ず目を通したいと思う。

(フリーライター 宮崎智之)