退任後に訴追される可能性もある

 ロシアとの共謀や司法妨害に加え、選挙資金法違反や脱税、銀行詐欺などの多くの疑惑をかかえた「汚職まみれ」のトランプ大統領を追及するのは議会だけでない。とくに「独立性」に定評のあるニューヨーク州南部地区の連邦検察局(SDNY)は大統領の退任後の訴追も視野に入れて捜査を進めていると見られ、大統領にとっては大きな脅威であろう。

 SDNYは大統領の選挙資金法違反や財務問題などを捜査しているが、2018年8月にトランプ大統領の元個人弁護士のマイケル・コーエン被告を起訴した。

 コーエン被告はトランプ氏と不倫関係にあった元ポルノ女優ら2人に口止め料を払って選挙資金法違反で有罪となり、禁錮3年の実刑判決を受けたが、同被告が「トランプ氏の指示で行った」と述べたため、それが証明されれば大統領も罪に問われることになろう。

 コーエン被告は10年以上にわたり、「フィクサー」としてトランプ氏の「裏の仕事」を引き受けていたため、大統領の不正行為に関する多くの「秘密」を握っているとされる。その被告が検察側と司法取引を行い、SDNYに多くの重要な証拠を提供しているのである。

 SDNYは2018年12月、コーエン被告の選挙資金法違反の件で、「コーエン被告はトランプ氏の指示によって選挙に意図的に影響を与えようとした」と記した求刑勧告書を裁判所に提出した。これについて、ABCニュース法律顧問のダン・エイブラムス記者は「そのような書面が提出されるのは極めて異例です。もしかしたら検察当局は本気でトランプ大統領を起訴しようとしているのかもしれません」と述べた。

「現職大統領は起訴できない」という司法省の指針があるため、トランプ大統領の起訴は難しいかもしれないが、退任して民間人となれば起訴は可能となる。

 トランプ大統領の退任後の起訴については、前出のシフ委員長も「その可能性はある」と述べている。