「気づいたときには時すでに遅し…」ということになる前に、“フレネミー対策”について、堀井さん(仮名)のケースを参考に考えてみましょう。

<登場人物>

 堀井さん…30代前半女性、企画室でヒットを飛ばし、現在は秘書チームのチーフ。

 Aさん…20代半ば女性で、秘書課に初めて配属された。

 Bさん…30代前半女性で、秘書課歴は4年で3人の中で一番の年長者。

 堀井さんが秘書課に配属されてから2年目に入ろうとしていました。この企業では、専務や常務などのいわゆる「役付き取締役」には、秘書数名がチームとして付くことになっています。役員と直接やり取りをするのは秘書チームのチーフだけで、他の秘書はチーフから仕事を振られるという流れでした。

 堀井さんは、語学堪能で多くの難関資格を取得し、容姿端麗で性格まで良いというキャリアウーマンです。社内報などに登場していたため、社内では「憧れの美人秘書」として知られた存在です。秘書課の前は企画部に在籍していて、それまでの既製品をユニークにアレンジして何度かヒットさせた実績もありました。

 堀井さんが担当している役員は新規事業も担当しています。2年前に堀井さんが秘書課に配属されたのは、秘書としてだけでなく新規企画を遂行する能力にも期待を寄せての異動でした。その後、秘書課異動2年目という異例のスピードで、堀井さんは秘書チームのチーフに昇格します。

 堀井さんのチームには部下としてAさんとBさんの2人が配置されました。Aさんは初めての秘書業務でしたが、以前から堀井さんに憧れていて、一緒に仕事をする夢がかなったと言って張り切っていました。

 Bさんは秘書課での4年を同じ役員の秘書チームで過ごしてきたため、チーフになったばかりの堀井さんにさまざまなアドバイスをくれる頼もしい存在でした。堀井さんをチーフとした3人の秘書チームは、比較的年齢が近いこともありチームワークが良く、仕事後に3人で女子会をすることもよくありました。

 そんな状態で8ヵ月ほどたった頃です。堀井さんは担当役員から、秘書よりも新規事業の企画に仕事の比重を置いてほしいと言われ、秘書チームのチーフの他に、役員直属の新規事業部のリーダーに大抜擢(ばってき)されました。

 それを聞いたAさんとBさんは「さすが堀井さん!私たちも応援しますね!」と喜んでくれて、お祝いの食事会まで開いてくれました。