24時間営業問題がトップ交代へと発展したセブン-イレブン・ジャパン。親会社のセブン&アイ・ホールディングスの業績に目を向けると、課題事業の構造改革が進んでいないと分かる。コンビニ依存の収益構造が、24時間営業の見直しに二の足を踏ませている。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)
24時間営業問題に揺れる国内コンビニエンスストア最大手、セブン-イレブン・ジャパン(SEJ)が、トップ交代の事態にまで追い込まれた。
SEJの古屋一樹前社長が代表権のない会長に就き、副社長の永松文彦氏が社長に昇格する人事が、4月4日の記者会見で発表された。
24時間営業問題の発端は今年2月。大阪府東大阪市のSEJの加盟店オーナーが、独自の判断で24時間営業をやめて深夜に閉店。その結果、「本部の担当者から違約金を請求された」と訴えた。これが明るみに出ると、本部は世間の強い批判を浴びた。
火消しに追われたSEJは急きょ、一部店舗で深夜閉店の影響を調べる“実証実験”を開始。さらにSEJのトップ交代に踏み切り、沈静化を図っている。
しかし、4日の会見で、セブン&アイ・ホールディングス(HD)の井阪隆一社長と永松氏のいずれも、24時間営業の見直しに消極的な姿勢を崩さなかった。
井阪氏は、「1店舗1店舗の状況を見極め、柔軟なやり方を模索していきたい」としながらも、「24時間営業の選択制は考えていない」と明言。永松氏も、「24時間営業を維持できるフォロー態勢は十分に取っていきたい」と述べ、現状維持を貫く姿勢を強調した。
「24時間営業も、『見切り販売』と同じ扱いになるのではないか」
加盟店オーナーでつくる「コンビニ加盟店ユニオン」の酒井孝典執行委員長は、24時間営業問題の行く末をこう危惧する。