見切り販売とは、消費期限が迫った食品を値下げして販売することだ。公正取引委員会が2009年に是正措置命令を出すまで、コンビニ本部は加盟店にこのことを禁じていた。

 現在では形式上は認められているものの、フランチャイズ契約更新の可否を事実上握っている本部を恐れる大半の加盟店は、実施していない。酒井氏は、「見切り販売と同様、本部は時短営業を表向きは認めると言いながらも、加盟店が言い出せない状況をつくり出すつもりではないか」とみる。

 永松氏によれば、4日時点で時短営業を希望するSEJの加盟店は、全国でわずか96店だという。

 「96店しか手を挙げないこと自体、大半の加盟店が本音を言えないということではないのか」という報道陣の指摘に対し、井阪氏は、「向き合って話を続けていく」などと説明した。両者の力関係が見直されない限り、オーナーが本音を言うことは難しいだろう。

 さらに永松氏は、実証実験について、「開店と閉店作業が増え、(売り上げなどが)非常に厳しくなることが目に見えている。それを明確にするためにやっている」と述べ、時短営業のデメリットを確認する“結果ありき”の実験であることを自ら認めてしまった。

百貨店、GMSの採算が改善せず
中計を下方修正

 一連の24時間営業問題に話題をさらわれる形となったセブン&アイ・HDの通期決算。4日に発表された19年2月期の連結営業利益は4115億円と、8期連続で過去最高を記録した。その一方、構造改革の進捗の遅れが目立った。

 20年2月期は、16年にHD社長に就任した井阪氏が策定した3カ年の中期経営計画、通称「100日プラン」の最終年度だ。当初は連結営業利益4500億円という目標を掲げていたが、4日の決算会見でこれを下方修正。4200億円へと引き下げた。

 その内訳を上表に示した。構造改革事業と位置付けた総合スーパー(GMS)のイトーヨーカ堂は、計画通り不採算店を中心に40店舗の閉鎖を進めたものの、「本部経費が削れておらず、まだまだ手が入っていない」(井阪氏)。