新著『図解 10歳若返る!簡単に頭を鍛える法』を上梓した能力開発コンサルタントの高島徹治氏が教える記憶定着のノウハウ。今回紹介するのは、覚えたいものと何かを結びつけて覚える「フック記憶法」です。この方法なら、初対面で次々と名刺交換した人たちの名前や、買わなくてはいけないものリストなども、いちいち名刺やメモを見返さなくても、脳に刻みやすくなるはずです。
「フック記憶法」で宴会場の人の名を
すべて覚えた古代ギリシャの逸話
記憶法の起源は、古代ギリシャ時代にまでさかのぼります。
それを物語る、こんな興味深い話が残されています。
あるとき、宴会が行なわれていた会場で突然、建物の屋根が落ちてしまい、会場に居合わせたほとんどの人が亡くなるという大惨事が起きました。
遺体の損傷が激しいため、被害者の身元は確認できず、関係者はただおろおろするばかりでした。
そのとき、身元確認に協力したいと名乗りを上げた人物が現れます。詩人のシモニデスです。彼は幸いなことに、事故当時、会場の外にいて、命拾いをした出席者の1人でした。
シモニデスは、亡くなった人の名前を淡々と、1人ずつ口にしていきました。なんと、そらで言ってのけたのです。
その「記憶力」に、周囲の人はすっかり驚いてしまいました。
彼はなぜ、そんなことができたのでしょうか?