最低限出さなければならないアウトプットの必要最小限の水準は維持しつつ、いかに手を抜けるところで抜くかの嗅覚が本当にすごい。
手を抜くことによってできた余力や時間は、もっと別の「やる価値がある」と思えることに回しているのです。
「成果÷労力」の生産性だけについていえば、前述の「超優秀な人」にも引けをとらないのではと思えるほどです。
得点力を高めるためにはこういう考え方は絶対に必要で、「手を抜いてもいいところは適度に手を抜いて、真に注力すべきところにエネルギーを注ぐ」というスタンスで臨むことが肝要です。
何でも完璧にやろうとする人は、むしろ得点力は低いのです。
何でも完璧にできる人が勝つのではなく、「すべてを完璧にこなすことはできない」ことを理解したうえで、うまく立ち回れる人が勝つのです。
そもそも勉強というのは、適度に手を抜くところをつくるからこそ長期間継続できるという面もあります。仕事や家事についても同じことがいえます。
「すべてを完璧にこなそう」「常に全力で取り組もう」と考えてしまうと、途中で壁に突き当たるとスランプになったり、勉強が嫌になったりします。
日々当たり前にやっていることを、当たり前と思わない。
「この作業、本当に必要かな?」と常に考えることによって、優先順位の低いタスクや、時間対効果・労力対効果の小さいタスクを削れるところから削っていく。
そうすることで勉強の生産性が上がり、物理的にも精神的にも身軽になれます。
日本という国はなぜか、楽して結果を出そうとする人は叩かれる傾向があるのですが、国際的な労働統計で「労働生産性」が先進7か国の中で最下位という結果が出ているのは、そういうところに原因があるのではと感じます。
本当にやるべきことだけに時間や労力といった資源を集中的に配分するという考え方をもてば、自然と生産性は高まっていきます。