統一地方選の前半である11の道府県知事選、6の政令市長選、岩手、宮城、福島、茨城、東京及び沖縄を除く道府県議会議員選挙、17の政令市議会議員選挙の投開票が4月7日に行われた。結果については既にご承知のとおりである。14日には統一地方選後半戦も告示され、21日の投開票に向けて各地で激しい選挙戦が展開されている。ところで、選挙時に各候補者や政党が掲げる「改革」や「新しい」といった標語はどこまで意味があるのだろうか。(室伏政策研究室代表、政策コンサルタント 室伏謙一)
地方選は国政とは切り離して
個別の判断が必要
統一地方選が話題の俎上(そじょう)に載せられると、与党系候補がどうの、野党系候補がどうのといった見解や評価、解説が聞かれることが多い。
確かに、地方議員が構成する地方組織は国政選挙の基礎票を生み出す組織であり、国会議員にとっては足場であり、まさに地盤の1つである。なので、統一地方選の結果は国政選挙に少なからず影響することは間違いない。
しかし、地方選の争点や対立の構図、各候補の主張は、当該地方選が行われる各地域の実情を反映したものであり、かつ、各政党のありようも国政の場合とは異なっていることも多い。従って、国政と同じ構図で地方選を見てしまうと、選挙結果の意味づけを考えるのは難しいだろう。
また、候補者側も、「国政の構図」を持ち込みすぎた場合は、有権者が引いてしまったり、離反してしまったりといったことにつながることもありうる。
要するに地方選は国政とは切り離して個別の判断が必要ということなのだが、普段から地方政治、地方行政に関心を持っている人ならまだしも、そうでない有権者にとっては判断するのは容易ではないだろう。
そうした有権者の実情を踏まえてか、簡単で分かりやすく、記憶に残りやすい言葉や対立の構図、争点が作り出され、前面に押し出されて選挙戦が展開される傾向が強くなっているようだ。