相談役を解任されても
取締役選任などに関与

 というのも、1980年代に「兜町の風雲児」と呼ばれた相場師が率いた株投機(仕手筋)集団の“番頭”だったと、関係者が口を揃える人物が関与しているからだ。

五洋インテックス社長解任請求の裏で浮上する「乗っ取り疑惑」臨時株主総会の開催を要求した株主側が、4月13日に送ったメール(一部モザイク処理しています)

 今、手元に当編集部が独自に入手した「定例会アジェンダ2月14日」と題されたメールがある。これは、今回、臨時株主総会の開催を要求した株主側が、4月13日に送ったもの。委任状付きの株主総会招集通知を発送したので、委任状を集めるよう指示したものだ。

 メールには「会社側の通知に(ママ)誤解しないように」「会社側の通知はすぐに捨てるように説明の方をよろしくお願いします」といった文言が並び、株主側を支持する委任状を提出するよう促してほしい旨が記されている。

 このメールで注目すべき点は、宛先を示す「To」欄だ。今回、取締役に推されている者や、弁護士などに混じって「田久保利幸」という名が記されている。そう、この人物こそ「番頭だった」と関係者が口を揃える人物なのだ。

 もともと田久保氏は、五洋インテックスの相談役だった。その過程で、新規事業として太陽光パネル事業やタブレット事業などの案件を、五洋インテックス側に紹介していった。

 ところが、太陽光パネル事業は不正な会計処理が浮上、タブレット事業に関しては架空取引が顕在化し、いずれも頓挫する。さらに、五洋インテックスが今年2月22日に東京証券取引所に提出した「改善状況報告書」によれば、昨年8月にまとめられた過年度の決算訂正に関する第三者委員会報告書で、田久保氏が第三者割当に関与した際の疑念が指摘されたため、7月末をもって相談役の契約を解除されている。

 つまり、五洋インテックスと田久保氏はこのときに縁が切れているのだ。にもかかわらず、先のメールや、複数の内部関係者の話などを総合すれば、取締役候補の選任や臨時株主総会の開催などに「積極的に関わっている」というのだ。これを受けて、会社側は「契約を切られた意趣返しで乗っ取り行為だ」と主張している。