12月期決算企業が3月に迎える株主総会を前に、「物言う株主」の動きが続々と表面化している。中でもオリンパスが1月11日、筆頭株主で世界的なアクティビストとして知られる米バリューアクト・キャピタルから取締役を受け入れると発表したことは、日本の大企業が「自ら」物言う株主を取締役に迎える極めて珍しい例として産業界の耳目を集めた。
両者とも表向きは企業価値向上への「建設的な対話」の一環としているが、物言う株主の動向に詳しいある関係者は「受け入れたというより、弱みを握られ『入れさせられた』のが実態」とみる。
このところオリンパスの「弱み」とみられてきたのはコーポレートガバナンス(企業統治)の在り方だ。2012年に粉飾決算問題が発覚後、同社は企業統治改善を進めたはずだが、最近も中国工場の贈賄疑惑や米国の十二指腸内視鏡の感染問題などが相次ぎ表面化。18年4~9月期決算では、十二指腸内視鏡の感染問題に関連した引当金計上などで54億円の最終赤字に転落し、不祥事続出や業績悪化で内部管理体制に問題があるとの懸念が渦巻いていたのだ。