ケースA:確実に1万円もらえる。
 ケースB:確率95%で1万1000円もらえるが、確率5%で何ももらえない。

 あなたは、どちらを選びますか?論理的に考えれば、Bのほうが期待値は450円高いので有利なはずですが、実験を行うと、Aを選ぶ人が多いのです。こうした不合理な判断をしてしまうのは、人間の脳が、直感で確率を扱うことを苦手としているので、無意識のうちに不確実なものを避ける傾向があるからです。無駄になるかもしれないと思っただけで、途端に先送りしたくなるのは、脳が確率に対してこうした欠点を抱え込んでいることが原因なのです。

 このように人間の脳は確率を直感的に扱うのを苦手にしているわけですから、何らかの形でこうした欠点を補わなければなりません。そのためにやるべきことは、頭を使って確率を論理的に考えるクセをつけるということです。冒頭の例で考えると、まず企画書がボツになる確率を論理的に考えてみてください。そして、作業から得られる期待値を大雑把でいいので計算するのです。作業によって得られる期待値は、以下の式で表されます。

 企画書によって得られる期待値=企画書が採用されたときの利益×採用される確率

 しかし、これは数学の試験問題ではないので、確率を正確に計算できるケースは決して多くありません。そんな場合は、だいたいどれくらいの確率か、大雑把に考えるだけで結構です。このように、1つ1つの仕事に対して普段から確率と期待値を考える習慣をつけると、「先送りグセ」も改善されるでしょう。

スケジュール管理が苦手で何事も先送りする場合…

「時間管理をするためにスケジュールを立てるのが大事なのはよくわかります。でも、そんなことをしてもどうせ時間通りにはできないし…と思うと、なかなか実行できないんです」

 細かな時間管理は面倒だと思われるかもしれませんが、やってみると、メリットがあまりにも大きいので、慣れるとまったく煩わしさを感じなくなるはずです。そのメリットは何かと言うと、時間を有効に使えて、一日がとても充実するということ。時間を高密度に使おうと思ったら、時間管理を高密度にしなければならないのです。

 一日は、どなたにとっても24時間であることに変わりはありません。どんなにあがいたところで、一日は1分どころか1秒だって増えません。大切なのは、みんなに等しく与えられた24時間をいかに最適にそれぞれの作業に割り当てていくかです。そのために最も力を入れたいのが、必要性の低い予定をリストラすることなのです。