わかりにくい料理名を
わざわざメニューにのせる意味

 客をちょっとたじろがせるサービスは、なにも高級店にかぎったことではありません。以前、われわれが調査したカジュアルなイタリアンの店のことです。

 席につき、メニューを開いて料理名を見たとき、いったいどんな料理があるのかさっぱりわからないのです。

「ピッツァ サルシッチャピカンテ」だとか「メランザーネ」「トレフォルマッジ」「フンギエプロシュート」という料理名を見て、どんな具材がのったピザなのか理解できる人がどれほどいるでしょう。小さな字で説明をつけているのですが、客の立場からしてみれば、いちいちよくわからない料理名を言わなければならず、気が引けますし、不便きわまりない。

 わざわざお客さんの知らない料理名をメニューにのせることに、どんな意味があるのでしょう。

 考えてみれば、カフェ・チェーンの「スターバックス」のドリンクサイズが「ショート」だったり「トール」だったりすることもまた、おかしな話です。スターバックスはアメリカの企業ですから、お客の利便を考えるなら「スモール」「ラージ」でよさそうなものです。

 さらに大きいサイズになると、「グランデ」「ベンティ」、アメリカの店舗にはもう一段階大きいサイズの「トレンタ」もありますが、これらにいたってはイタリア語です。日本人はもとよりアメリカ人にだってわけがわからないでしょう。

 あえてわかりにくくするのは、なぜなのか。