改善案は「地域別」

 さて、筆者の改善案を申し上げよう。それは、「大型連休を地域別に設定する」ことだ。

 就学中の子を持つ親にとって、子どもの学校は大きな考慮要素だ。親が会社を休める日と子どもが学校を休める日が一致するのは、カレンダー通りの休日・祝日であるか、子どもの学校が夏・冬・春いずれかの休みに親が有給休暇を取る場合である。親の会社と子どもの学校は、同一地域で休みを設定すると一緒に休むことができる。

 観光地などの混雑に関しては、今のやり方はあまりに気が利かない。京都のような全国区の観光地や、海外旅行客で混む成田空港などは、全国一律に大型連休を設定すると需要が集中して、予約不能・混雑・高値などの問題が起こる。都道府県単位か(東京は分割が必要かもしれないが)、いわゆる「道州制」で話題になる地域区分くらいの単位で大型連休を「ずらして」設定すると、京都あるいは成田空港に典型的な混雑が緩和できるのではないか。

 地域別の大型連休の場合、一つの工場の職員がまとめて休んで工場を止めることができる。製品にもよるかもしれないが、広域で生産している商品についても調整は可能だろう。

 また、休日をまとめるか否かの問題とは別に、休日は何日くらいが最適なのかについては、真剣に議論すべきだろう。勤労と休息、供給と需要など、多角的な要素のバランスを取らねばならないが、決め方はあるはずだ。休み無しもダメだろうし、全てが休日でもダメなのだから、評価の関数をはっきりさせると、間に「解」が存在するはずだ。

 金融に関しては、そもそも休日は決済もできなければ証券などの取引もできないというビジネススタイルが怠慢と言うしかない。業務の相当部分が機械化・AI(人工知能)化できるはずだし、人間についてもシフトを工夫する余地がある。決済が毎日できて、市場取引も毎日可能なかたちが「本来の金融ビジネス」ではないだろうか。例えば、日本から率先して「バンク・ホリデー」という慣行を廃止するといい。金融に関わる技術開発として、ちょうどいい水準の課題ではなかろうか。

 実は、証券の世界にあっては、取引時間を延長すると売買が増えて収入が増えるのではないかという意見が長年根強かった。筆者の記憶では、某大手証券会社の経営層が味の素の「都市伝説」(瓶の穴を大きくしたら売り上げが飛躍的に伸びた)に感動したことに原因があったようなのだが、それはともかくとして、取引日が増えることは投資家、証券会社双方にとっていいことだろう。

 観光・交通などの連休需要を当て込む業界にとっても、連休の需要が分散されるのはいいことではないか。この種のビジネスにあって「連休」が需要を生んでいるのだとすると、地域とタイミングが分散しても総需要は変わらないはずであり、総量が変わらないなら需要は平準化される方がいいはずだ。