日本の改元を自国のことのように注目する中国人も少なくありません。Photo:PIXTA

日本の新元号「令和」施行について、中国ではまるで自国のことのように関心を示す人が少なくない。なぜ、中国の人々は日本の元号に注目し、関心を持つのだろうか。(ジャーナリスト 中島 恵)

日本の改元を
わが事のように盛り上がる

「今年の5月1日はちょうど中国も休日なので、朝からインターネットで日本の新元号に関する特別番組を見る予定です!」

 先日、大連在住の女性とウィーチャット(中国のSNS)でやりとりした際、彼女はウキウキした様子でこんな返信を送ってくれた。

 新元号「令和」の施行まであと数日。日本では「歴史的な一日」を前にさまざまな準備が進められているが、お隣の中国でも、なぜか日本の改元をまるでわが事のように気に留めて、ソワソワしている人が少なくない。

 5月1日は中国では労働節(メーデー)の祝日。この日からちょうど4連休となるため、旅行に出かける人も多いが、私がチェックしたSNSの中には「歴史的瞬間をこの目で見るために、いざ東京へ!」などという書き込みをする日本マニア(?)もいて、一部の人はやけに盛り上がっているようなのだ。

 中国人も日本の新元号にそんなに注目しているのか――。

 私がそう感じたのは4月1日のことだった。菅義偉官房長官による発表が行われたのは午前11時40分過ぎだったが、それから数分も経たないうちに、中国共産党機関紙「人民日報」でも「日本の新元号」に関する発表があった。中国の主要紙である「環球時報」などいくつもの媒体でも、同じような報道が続き、日本のメディアとほとんど変わらないほどの素早さだった。また、マスコミの報道を追いかける形で、個人がSNSに投稿する文章が目に飛び込んできた。