1月16日~2月24日、東京国立博物館で特別展『顔真卿ー王羲之を超えた名筆』が開催されている。中国唐の書家、顔真卿(がんしんけい)の「祭姪文稿(さいてつぶんこう)」をはじめ、王羲之、欧陽詢、懐素、空海らの作品が一堂に会する展示会だ。日本ではそれほど大きな話題にはなっていないが、この展示会については当初、中国だけでなく、台湾からも批判と怒りの声が噴出した。中国と台湾では、大手マスコミをはじめ各メディアが大きく取り上げ、SNSでは賛否の声で炎上状態となっている。なぜ、これほど話題となっているのか。(日中福祉プランニング代表 王青)
日本での「祭姪文稿」展示に対し
SNSにあふれる批判と怒りの声
「ショックだ!なぜ日本へ?理解できず、死にそう…」
「悲しい!涙をこらえられない…」
「見られないのが悔しい極み」
「事の重大さは、知っているのか?」
「台湾政府は十分な議論をしないまま、国宝を海外へ持ち出す行為は極めて軽率だ」
「日本は以前兵馬俑展示の際、一騎の兵馬俑を破損した前科があるから、今回こそ大事に大事に扱ってほしい!」
などさまざまな声がSNSであふれかえっている。
特に議論の的になっているが、中国史上で屈指の名書といわれる「祭姪文稿(さいてつぶんこう)だ。