シンギュラリティ大学が「100億円あったら何をやりたい?」と学生に問いかける理由
「論理に裏打ちされた戦略があってこそ、成功にたどりつける」――これがかつてのビジネスの常識だった。しかし「他者モードの戦略」は、いたるところで機能不全を起こしつつある。その背後で、いま、マーケットに強烈なインパクトを与えているのは、「根拠のない妄想・直感」を見事に手なずけた人たちだ。
そんななか、最新刊『直感と論理をつなぐ思考法――VISION DRIVEN』を著した佐宗邦威氏は、いま何を考えているのか? P&G、ソニーで活躍し、米国デザインスクールで学んだ最注目の「戦略デザイナー」が語る「感性ベースの思考法」の決定版!!
質問もまた「余白」である――妄想クエスチョン
忙しさにかまけているうちに、人の思考力からはある種の「あそび」のようなもの、いわゆる「妄想」が失われていく。妄想を失った人からは、柔軟な発想を生む力や、環境に合わせて変化していく力が消えていってしまう。
これを取り戻すためには、ふだんの思考に「余白」を取り入れることが必要だ。
妄想が生まれてくるための「余白のデザイン」に関して、今回紹介しておきたいのが、「妄想クエスチョン」という方法だ。
質問文というのは、それに対する回答を期待した「余白」である。「質問」があってはじめて「回答欄」が生まれる。質問を自分に対して設定するということは、答えのための余白をつくることに等しいのである。妄想を触発する妄想クエスチョンとしては、次のようなものがある。