「営業は足で稼ぐ」。そんな日本の商慣習に風穴をあけたサービスがある。相手の端末やブラウザーを問わず、即時にオンラインで商談ができてしまう日本初のサービス「ベルフェイス」だ。1契約当たり月7万2000円から利用でき、法人向け営業の分野で急拡大している。
代表取締役社長の中島一明は、中学を卒業後、数年働き、世界一周の旅に出た後、20歳のときに福岡市で「社長.tv」というメディアを立ち上げたことがあり、今回は2度目の起業になる。中島は、同メディアへの出演交渉のために日本中の社長に片っ端から会いに行って営業スキルを磨いた。だが、あるときコールセンターを設けて営業活動をし始めたら成約が激増したという出来事から、リモート営業という分野の可能性を感じるようになった。
とはいえ、電話だとなかなか話を信じてもらえなかったり、資料は後からメールで送るなど、電話だけで完結しないという問題もあった。スカイプなど既存のツールも当然試したが、営業する側は立場が弱く、相手にアプリをダウンロードさせたり、ブラウザーを指定するといった指示はしにくく、商談で使うのは現実的ではない。中島は、営業に耐え得るテレビ電話ツールが世界中どこにもないことに気が付いていた。