おいしいものを食べたい気持ちに、女性や男性といった区別はないはずだ。しかし、「もりもり食べるのは男性」といった固定観念があると、事態はさらにややこしくなる。居酒屋では、最後の一品が残っていても、テーブルが一杯になってしまうなどの理由で店員が皿を下げることがある。そういう場合、最後の一品について、目配せしながらその扱いを検討するシチュエーションに突入するわけだが、筆者の経験では、その一品がおさまるのは、たしかに女性より男性の小皿である場合が多いように思う。

その「忖度」は本当に必要なことなのか

 しかし、そもそも最後の一品に手を出すことが失礼なのだろうか、という根本的な疑問もある。誰かが「それは失礼な行為だ」と指摘した場面に出くわしたことがないし、「誰かがまだ食べていないかもしれない」という配慮は必要なものの、残っているのにはそれなりの理由がある可能性もある。そのメニューが嫌いな人がいて、あえて箸をつけていない場合だってあるだろう。なのに遠慮して残してしまうのはもったいない。

 人それぞれ、食には好みがある。お新香が好きな人はお新香を多めに食べればいいし、唐揚げが好きな人は唐揚げを多めに食べればいい。均等に分けなければいけないなんてルールは、なんとなく存在していそうなだけで、誰かが決めたわけでも明文化されているわけでもない。好きなものを食べたいだけ食べればいいと考える人もいる。