便利な新宿区、台東区、
物価の安い江東区、足立区は要注意!

 外国人在留者の多さや物価の安さも踏まえ、先述した「犯罪情報マップ」なども基に、京師氏に危険なエリアをいくつか挙げてもらった。

「まずは新宿です。とくに新宿駅の周りや歌舞伎町、代々木駅周辺は交通の便の良さも手伝ってにぎわっていることもあり、新宿区の中でも危険なエリアと言えるでしょう。詳細に見ると、ひったくりや路上強盗などが多いですね」

 このエリアは、両駅前とも人と店が多く、不審者が紛れ込みやすいことで犯罪件数が増えているのでは、と京師氏は分析。さらに外国人在留者の多さや、アウトローな組織の事務所が密集していることなども関係していると思われる。

「もうひとつの理由としては、繁華街の多さです。歌舞伎町などは飲み屋が多いので酔っぱらいの暴行が多く、さらに、路上にゴミが散らかり放題だったり、建物の窓が割れていたりと、街全体が荒れています。そういう荒れた場所には犯罪者が集まりやすいんです」

 街の整備が行き届いていない地域は、犯罪者が集まりやすいのだ。さらに、物価が安いエリアにも、犯罪者が集まりがちだという。

「江東区の深川周辺、足立区の竹の塚周辺、台東区などの物価の安い地域はあまり安全性が高いとは言えません。データを見てもひったくりや万引、公然わいせつなどが多いです。台東区では上野駅や浅草駅などターミナル駅の周辺での犯罪件数が多い傾向にあります」

 利便性の高いところほど、安全性は落ちやすい。こうした地域で防犯意識が高いかどうかを見極めるポイントがいくつかあるという。

「まずは、街の中がきちんと整備されているかどうかです。ゴミが落ちていない、落書きがない、違法駐車がないなど、ささいなルール違反の取り締まりや街の美化を徹底しているところは、防犯意識が高いです。こうした軽微な犯罪もとことん取り締まることは『割れ窓理論』と呼ばれ、凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止する力があります」

 割れ窓理論とは、「些細な犯罪を徹底的に取り締まることで、凶悪犯罪など大きな犯罪も抑止できる」とする環境犯罪学の理論である。

「実際にニューヨーク市は、大々的に割れ窓理論を実施したことで7年間で犯罪発生率を67%も減らすことに成功し、犯罪多発都市の汚名を返上しました」