「いいね!」思考によって、人生を無駄にしかねないインスタグラムユーザーたちInstagram

大自然の素晴らしさを体験することができる崇高なる場所がいま、インスタグラム投稿用に映える写真を撮ることに執着する大勢の人間たちによって蹂躙されるという問題が、世界各地で続発しています。インフルエンサーの評判に対するこの最新の一撃は、意外なこととして処理されるべきなのでしょうか?

 まずは、「スーパーブルーム現象」という言葉をご存知でしょうか?

インスタ写真1

 それは、「ふだん砂と岩しかないような砂漠でたくさんの野生の草花が突然開花し、辺り一面がオレンジ色や黄色、紫色した花びらで埋め尽くされる…」という珍しい現象になります。この現象がもたらした過去の事例によって、大勢のインフルエンサーたちが現在、「いいね!」確実となる…いわゆるSNS映えするロケ現場を求める旅に出るようになりました。 

 乾燥地帯として世界的に有名なデスバレーと並び、「アメリカで最も乾燥した場所のひとつ」とも言われるアンザ・ボレゴ砂漠州立公園という場所があります。その米カリフォルニア州南部にあるアンザ・ボレゴ砂漠にて、2019年3月にスーパーブルーム現象が発生。そこでは、「金色や琥珀色の花々で、いくつもの丘陵全体が埋め尽くされた」という出来事が起きました。

 そしてこのニュースを聞きつけて、カメラを手にしたたくさんの人間がこの砂漠に押し寄せた結果、州警察の職員が交通整理に駆り出され、近隣の商店らは現地に設置したゴミ箱や簡易トイレの費用を負担させられるという、あまり嬉しくない結果になりました。 

 アンザ・ボレゴ砂漠から、北へ80マイル行ったところにあるエルシノア湖では、スーパーブルーム現象でポピーの花が満開になりました。ですが、それを見ようと押しかけた大勢の来訪者に対し、その数に対処できるだけの備えのない地元コミュニティが窒息状態になっていたのです。