日銀当局者は、国債買い入れで株買い入れよりも多くの成功を収めている。日銀による奇抜な景気刺激策のうち、最も顕著なのは巨額の債券買い入れで、欧米中銀の先導的な役割を果たした。だが、株式相場への日銀のアプローチは、他国の中銀関係者がそのまま踏襲すべきものではないだろう。黒田東彦日銀総裁は21日、衆議院財務金融委員会で、日銀が現在、国内の上場投資信託(ETF)の75%以上を保有している点に言及した。2010年にETF買い入れを開始し、13年に強化した結果だ。ETF買い入れの最大の目標は、株式のリスクプレミアムを引き下げることだ。リスクプレミアムとは、投資家が株式投資によって、単に低リスクの国債に資金を振り向ける以上に得られると期待する対価を示す。プレミアムが下がれば株価を押し上げ、上場企業による増資を一段と容易にする。